最低王子と小悪魔女
 次の瞬間、中城先輩の背中スレスレのところを猛スピードでバスケットボールが通り過ぎた。続いて、総毛立つようなとてつもない着地音。

 聞くだけで痛そうな音で地面にぶつかったボールは、高く跳ね上がって明後日の方向へ飛んでいく。


 あたしは思わずボールの行方を見送ってから、ガッチガチに固まったまま首だけを投げた張本人に向ける。

 そいつは……慎吾は、アイドル並の爽やかさでのたまった。

< 130 / 267 >

この作品をシェア

pagetop