最低王子と小悪魔女
「そりゃもちろん、波月ちゃんもマネージャーにスカウトするさ」
本気を疑わせる口ぶりである。慎吾はそれに、あいまいに苦笑いを返した。
ひとつおじぎをしてから、あたしの腕を引いて歩き出す。
そのスピードに足をもつれさせながらも付いて行くと、途中時任君の横を通り過ぎた。
何も言わずに行ってしまうのだろうか。そんなことを思いながら慎吾の背中を見つめていると、慎吾はピタリと足を止めた。
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