最低王子と小悪魔女
7話 ありがとうと王子は言う
ふたりして逃げるように足早に学校を離れ、ふらり立ち寄ったのは小さい頃よく慎吾と一緒に遊んだ公園。
慎吾を半ば無理やりベンチで休ませている間にスポーツドリンクを買って、無言のまま手渡すと、慎吾は不思議そうあたしを見上げてきた。
「……怒ってないの?」
「なにを?」
珍しく気弱だな。
見上げる慎吾の目は、まるでご主人様の顔色をうかがう子犬のようだ。