最低王子と小悪魔女
「反省の色がないっ!」
『だから反省なんてしてないって』
……なんてけしからん独り言が聞こえてきたから、本当に殴ってやろうかと手をグーにしてみせると、降参とばかりに両手を上げる慎吾。
なんて従順な奴。
あんたはよくしつけが行き届いたワンコか?
……そう思うとなんだか色んなことが馬鹿らしくなってきて、あたしは声をあげて笑った。
お腹の底から笑ったのなんて、えらく久し振りのように感じる。