最低王子と小悪魔女

「反省の色がないっ!」


 『だから反省なんてしてないって』
 ……なんてけしからん独り言が聞こえてきたから、本当に殴ってやろうかと手をグーにしてみせると、降参とばかりに両手を上げる慎吾。


 なんて従順な奴。
 あんたはよくしつけが行き届いたワンコか?

 ……そう思うとなんだか色んなことが馬鹿らしくなってきて、あたしは声をあげて笑った。

 お腹の底から笑ったのなんて、えらく久し振りのように感じる。

< 151 / 267 >

この作品をシェア

pagetop