最低王子と小悪魔女

「シュート。落ちそうになった時に、祈ってくれてたから。
俺すげー嬉しかった」

「あれは、別に。
……あんたに勝って欲しいって思ってたわけじゃないんだからね」


 そんな風に思われた日にゃ、えらいメーワクだ。
 だから違うぞって、ジロッとにらんで釘をさせば、慎吾はおかしそうに目を細めた。

 『言うと思った』って思ってるに違いない。絶対そうに違いない。

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