最低王子と小悪魔女

 ま、単なる幼なじみのよしみだったってわけだ。
 納得納得。


 でも、また時任君に謝る理由が増えちゃったなあ。
 無意識とはいえ、慎吾をえこひいきしてしまったのはフェアじゃないもんな。

 あぁ……今から気が重い。


「なあ、波月」

「んー?」


 あたしは呼びかけに応えて、放っておくと気持ちにならってうつむきがちになる顔を上げた。

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