最低王子と小悪魔女


 ――だから忘れてしまっていたんだ。


 いびつに重ねた積み木細工は、やがては揺らいで崩れる。

 安定しているかに見えても、どこで積み間違えたかもわからない、でもとても大事な一片のために今にも壊れてしまいそうで。


 元に戻ることはなかったんだ。


 積み間違えた細工は、その上にどれだけうまく重ねていったとしても、決して直ることがないように――





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