最低王子と小悪魔女

 あたしの返事に満足したのか、時任君はうんうんと目を細めてうなずく。


「そか。よかったな。雨降って地固まるってやつか」

「いや、雨というよりは、槍が降ったかハリケーンかって感じだけどね。
とにかくしこたま人にメーワクかけまくって、今この瞬間もどんな噂になって飛び交ってるかっていうのは、想像するだに恐ろしいわ……」

「違いないな」


 現に、のほほんと朝の挨拶から日常会話を繰り広げてはいるが、教室中から異様なくらい熱烈な視線が、異様な数だけ送られている。

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