最低王子と小悪魔女
人が来ることも、あまつさえ自分が呼ばれることも予想してなかったから、二重の驚きにあたしはお弁当を取り落とす。
無残にも地面に叩きつけられたお弁当箱は、盛大に中身をまき散らした。
「あーあー……まだ半分も残ってたのにー」
お米だとかおかずだとかをせっせとかき集めながら、あたしは花那を見上げた。
いったいどれくらい探していたんだろう? この涼やかな気候にびっしりと汗をかき、肩が激しく上下している。