最低王子と小悪魔女
「あれが遊びだって? ……ふざけるな、いったい誰のせいだと思ってるんだよっ!」
腕をつかんで、揺さぶられる。あたしの背中が金網にぶつかって派手に音を立てた。
でもそんなものより、慎吾の眼差しの方がよっぽど痛い。
傷を抱えた目が必死に訴えかける。どうして裏切ったのって、まるで小さな子のように頼りなく。
「俺がどんな気持ちで、あんなことしてたと思ってんだよ……」
「……ごめん」
あたしは、ただ謝ることしか、出来なかった。