最低王子と小悪魔女
いまさら遅いってわかってても、それ以外にどうしたらいいかすら思いつかなかった。
――あたしの、せいだったんだ。
一番身近にいて、一番慎吾を信じてあげなきゃいけなかったはずのあたしが、そんな慎吾の心を裏切ったから。
だからヤケを起こした慎吾は、望んでもいないことを繰り返して、周囲もろとも自分を傷つけていたんだ。
――なんてことだ。王子様に魔法をかけた、悪い魔女があたしだったなんて。