最低王子と小悪魔女
 馬鹿馬鹿しくて、涙も出ない。呆れて物も言えないや。


 これじゃまるで、失恋じゃないか。


 好きだよの一言も言えなかった、あたしらしい間の抜けた失恋。



 悔いはない。
 多分、時間はかかるけど、また幼なじみに戻れるはずだ。

 でも、つけてしまった傷痕は消えない。あたしたちはこの痛みを忘れることが出来ない。
 それだけが心残りだった。





< 189 / 267 >

この作品をシェア

pagetop