最低王子と小悪魔女
思春期の男なんだから、恋の一つもしたっておかしくない。
子供の頃から抱えてた大好きの気持ちが、形を変えていくのはむしろ自然なことだと俺は思う。
問題は、うちのお姫様が奥手なのか鈍感なのか、適齢になっても思春期の女の子らしい感性がまるで育たなかったことだ。
それでもいい。波月がいつか気付くまで、嫌でも目に入るとこるところで待っていよう。
それこそ、ご主人様のお呼びがかかるのを待ってる忠犬みたいにね。
……なんて、のんびりしてたのが間違いだった。