最低王子と小悪魔女

 うん、波月に昔から注意されてたのに、治せなかったのが悪いんだよな。

 俺はどうにも消極的で、勝負事も苦手だ。
 スポーツでそれは致命傷だし、更に団体競技だとメーワクかけるから、治しなさいって怒られてそれは克服した。

 波月の応援っていう特典がつくから、むしろ喜んでそうしたんだけど。


 だけどここ一番ってところで、前に踏み出せない。それが仇になったんだ。
 皮肉なことにね。



 周りが初恋だ何だと騒ぐ中、俺たちはマイペースに幼なじみを続けていた。

 自他共に認める、ただの幼なじみ。
 俺だけが、そこを抜け出したがっていたことは、誰も知らない。

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