最低王子と小悪魔女

 そーいう嫌なカンってのはよく当たるもので、案の定、すぐに時任っていうライバルが現れやがった。


 そいつはバスケ部唯一の2年生レギュラーだか何だか知らないけど、ちょっと有名な奴らしくて、あいつが波月を好きだという噂はすぐに広まった。

 なのに当の波月が気付かないってのは、まあ、ちょっとは気の毒だとは思うけど、俺にとってはものすごーく好都合だった。

 この時ばかりは波月のニブさに感謝したな。
 お陰で同じくらい、気苦労は絶えないんだけど。


 で、このクラスが別っていうのは、俺にとっても弊害があったわけで。

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