最低王子と小悪魔女

 たまたま、ちょっとだけ波月と似た感じのする、勝ち気で明るいクラスメイトと気が合って、彼女も俺を友達として気に入ってくれたから、そのほとんどを波月と過ごす休み時間以外では、そこそこつるんだりしていた。


 俺に非があった。それは認める。
 誤解させやすいから気をつけろって、これも波月に注意されていたんだ。


 その子は俺に好意を抱いてくれた。
 でも、その想いには答えられなくて、告白にNOと返した。……言い方も、悪かったんだろうな。それも認める。


 強烈なビンタを喰らって呆然としている俺を置いて、とっとと帰ったと思ったら、クラスの奴らに一部始終を主観で語って、すっかり俺は悪者に仕立て上げられていた。

 それでも、俺が振ったっていうのは事実だからって諦めた。
 いつかはみんなもわかってくれるだろうって思いながら。

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