最低王子と小悪魔女
2話 王子様生活
カメラ映えしそうなスタイルと小顔。アイドル顔負けの笑顔で朝の挨拶を安く振りまいてる、ヤツと他人だと言えたらどんなにいいか。
「波月! おはよー」
校門前であたしの姿を見つけるなり、ご主人様にすり寄る子犬よろしく一直線にやってくる慎吾。低血圧のあたしには、そのスマイルはまぶしいんだってば。
「おはよう」
ひっくい声で応じる。毎日のことなので、慎吾は馴れた風に背中を叩いた。