最低王子と小悪魔女
 ――そう、罪人は俺。全部俺が悪かったんだ。

 なら俺が動かなくちゃ、変わらなくちゃ駄目だよな。
 そうじゃなきゃ、俺はただの馬鹿で、最低な奴で終わっちまう。


 それだけわかってるなら、充分。
 あとは前に進むだけ。うじうじ落ち込んで泣いてる時間なんてない。


「よし。これからどーするかな」


 俺はようやく一人反省会を終えて立ち上がる。
 自分で自分の背中を押すみたいにつぶやいた独り言が、沈黙の音楽準備室に染み渡ってシンとなった。


 さて。本当に――どうしようか。

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