最低王子と小悪魔女

「なんだよー暗いなー。そんな顔してたら、幸せが逃げちゃうぞ」

「すでにこの状況で、幸せが回れ右でダッシュしてるわよ」

「あはは、波月ひでー」


 ひとりで勝手にテンションが高いのに、それだけで楽しそうに見えるのは何故だろう。
 そんなあたしたちを、ある人は無関心に、ある人はうらやましげに、またある人は呪わんばかりに見つめて通り過ぎていく。

 うぅん、あたしもそのギャラリー側に回りたい。
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