最低王子と小悪魔女
「そーいえば今日の体育、クラス対抗のバスケだろ? 波月、応援よろしくー」
「何言ってるの、あんたは隣のクラスでしょ? 敵を応援してどーすんのよ」
「そこはほら、幼なじみのよしみで」
長身をかがめて、『お願いっ!』と拝むポーズをする慎吾。
認めよう。確かに可愛い。素性を知っててもつい許してしまいそうになる、全校女子生徒諸君の心境を認めよう。
でもそこはそれ、『可愛さ余って憎さ百倍』って言うじゃないか。
要は可愛いから腹が立つんだ。あたしの場合。