最低王子と小悪魔女
「け、決闘!?」
おい。現代っ子には激しく違和感のある単語だぞ。
そして、スーパーアイドル顔と中性的美人の男二人には、死んでも似合わない単語でもある。
「部連が終わる頃ひょっこり顔出してさ、『センパイは話の通じる人じゃないので、仕方がないから拳でケリをつけに来ました』とか何とか言って、校舎裏でボッコボコ」
「やっちゃったんだ……」
「ああ。矢柴は無駄に強かったぞ。弓先輩も空手だか何だかやってて充分強いんだけど、なにせ体格差があるからなー」
なるほど。力でねじ伏せて、強引に謝らせたってわけか。
あたしの知らないところで、ずいぶん無茶なことやってたんだな。慎吾の奴。
……ていうか、バスケ部の皆さんはそれを覗き見してたのか? なんて悪趣味な。