最低王子と小悪魔女
あの時は信じてあげられなかったけど、今度こそ信じてあげなきゃいけない。
そうじゃなきゃ、あたしには慎吾の傍にいる資格なんてないんじゃないかって思うから。
「あたしは慎吾の味方でいる。あいつがヒドイことした子たちには、順番に頭下げに行かせるよ。
それで許してもらえなくても、ちょっとでも理解してもらえるように、がんばってみる」
「どうして、矢柴のためにそこまでしようって思うんだ?
そんなことしたら、下手したら矢柴より恨まれるかも知れないんだぞ」
「……慎吾が、大切だから。遅いけど、やっと気付いたんだよね。慎吾はあたしにとってすごく必要な人だってこと」
もう、理解者を気取るつもりはない。
いつまでも、幼なじみにしがみついているつもりも。
やっと決心がついたんだ。ここから先へと進むこと。
諦めてたけど、でも、やっぱり慎吾を誰にも渡したくないから。