最低王子と小悪魔女
さっきまで冗談やってたのとは打って変わって、声のトーンがやや下がった。
緊張や真剣さを感じ取れるほど、低く、密やかに。
え、なに、マジメな話? 身構え必要? と頬杖を止めて姿勢を正していると、慎吾は軽く咳払いをひとつ。
「えー。
俺、矢柴慎吾は、幼なじみの黒木波月のことが、大好きです」
身構える間を与えず、夜のしじまにはっきりと響いた慎吾の告白が、あたしの全身に直撃した。
え。
ええぇーーー!?