最低王子と小悪魔女
「アリウープ決められたら、考えなくもないけど?」
「まじ? 波月、それ約束な!」
ふっ、バスケ知識のない奴め。素人がアリウープなんて決められるわけないだろ。
しかもうちのクラスには、バスケ部スタメンがいるんだぞ? シュートすらそう簡単に打たせてくれるまい。
あたしはそんな悪だくみを胸に、ひとりほくそ笑む。それに気付きもせず、慎吾はいたって無邪気なものだ。
――だが、甘かったのはあたしの方だと思い知らされることになる。