最低王子と小悪魔女

 うぅっ。確かに慎吾の言うとおりだ。
 そもそも、こーいう話題は苦手なんだよ。
 小学校はもちろん中学高校と、まるで色恋とは無縁の生活だったんだから。


「じゃ、これで心の準備出来たよな。
これからじーっくり聞いてもらうよ。俺の告白」

「はぁっ!?」


 何てこと言うんだ、馬鹿慎吾!
 この時点で、もう心臓が飛び出しそうなほどバクバク言ってるってのに!


「よいしょ」


 雨どいに手をかけて、塀から軽々とよじ登ってくる慎吾。
 おいおい、結構華奢なつくりしてるんだぞ? 雨どいって。こいつはあたしの家を破壊するつもりか?

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