最低王子と小悪魔女
照れくさそうに頭をかく。
どうやら慎吾は、あたしと同じことを感じていたらしい。
「正直もう駄目かなって思った。幼なじみには戻れても、それ以上は望めない、望んじゃいけないんじゃないかって。
……でも、諦めがつかなかったんだ。俺はまだ、何もしてなかったから」
「何もって……何を?」
「この告白もそうだけど、実は、この一週間で彼女たちに謝ってきたんだ」
彼女たち。
――それって、まさか。
「キツイお叱りを受けたり、また泣かせちゃったり。中には笑って許してくれる子もいたけど、みんなに理解してもらえたよ。
今更謝るなんて卑怯だとも怒られた。でもけじめをつけないと、俺は前に進めない気がしたから」
最低王子に告白した女の子たち、全員に。一人ひとりに頭を下げて回ってたんだ。慎吾は。