最低王子と小悪魔女
「たかが一週間で、大げさねえ」
――寂しかった。
アルバムを引っ張り出してながめるくらいには。
でもそんなこと、素直に喜ばせてやるのもしゃくだから、絶対に言ってなんかやんないけどな。
これってあまのじゃく? ヒネクレテル?
「……いーよ。なんにも言わなくても、こうしてればわかるから」
言わなくてもわかる。聞かなくてもわかる。
意地を張るのが馬鹿らしくなるくらい、触れ合った場所から何もかもが伝わってしまう。
慎吾の寂しいも嬉しいも、好きで好きでたまらないって気持ちもダイレクトに伝わってくるから、多分、あたしの気持ちもそうなんだろうな。
ふたつの心臓が溶けてひとつになったみたいに、信じられない早さでドクドクと鼓動が早鐘を打ってる。その心地よさに、あたしは黙って身を任せていた。