最低王子と小悪魔女
「駄目?」
「だ、駄目とかそういう……って、
どさくさにまぎれて何をしようとしてんのよエロ慎吾!」
承諾も得ず実行に移ろうとしたのを、あわてて両手でブロック。おでこをぐいと押しやられた慎吾は悪びれもせず、
「え、だってしたかったしー」
「『したかったしー』、じゃない! 第一あんたはされる側でしょ!? 物語で言うなら、魔女の呪いで眠ってる森の美女役!
……あーもー、わかった。旅の王子が眠りから覚ましてやるから、大人しく待ってろ。おすわり」
「おすわりって……波月、やっぱり俺のことペットだと思ってたんだ。ひどいなー」
「うるさいわね、黙っててよ! 集中出来ないでしょーがっ」