最低王子と小悪魔女

 仕方なしに、こいこいと手招きしてやると、泣きそうだったのが打って変わって、まるで花が咲いたような喜びいっぱいの顔。


「わんっ」


 ――これはあたしが、ますますしつけをしっかりやらないとってことね?

 いいじゃん、とことんやってやろうじゃないの。慎吾との腐れ縁は大学も有効、4年越しでみっちりとだ!


 とりあえずはもう一発ビンタと、キス一週間禁止令を出そうと思いながら、あたしは心の中でそう誓うのだった――





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