最低王子と小悪魔女

 不機嫌極まりない顔で試合を見守っていると、やっぱりどうしても慎吾を目で追ってしまう。
 一人でとんでもなく活躍してるというのももちろんそうだけど、慎吾には人を惹きつける魅力というものがある。

 すらりと長く、均整が取れた手足は、どんな動きにも映える。

 たとえばスリーポイントを打つ瞬間。

 ゴールに向けて伸ばされた腕や、垂直にジャンプするピンと張った背中は、カッコイイと言うより綺麗だった。

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