最低王子と小悪魔女

「あれ? 一人でやらないアリウープってあったっけ?」


 これだ。
 まったく、凡人の地を這うような努力を、この夢見るような笑顔で飛び越えていくんだから。たまったもんじゃない。


「それより、応援してくれるって言ったじゃん。波月の声援が全然なかったんだけど?」

「聞こえなかっただけじゃない?」


 そ知らぬ顔で、ぬけぬけと言ってやる。

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