最低王子と小悪魔女
3話 気まぐれ王子?
気がつけば、既に放課になっていた。
逃げるように教室を出たような気もするけど、はっきりとは覚えてない。
あたしは例の屋上で、金網に張り付いてぼーっと空を眺めていた。水色の空が茜さすまで。
「はーるな。まだ帰らないの?」
建付けがいいとは言えないドアを開けて、慎吾が歩いてくるのは気付いていたけど、あたしは振り返りもせず呼びかけにも応じない。
それに気を悪くした素振りもなく、慎吾はひょこひょこ歩いて寄ってくる。んでもって、いつものキラッキラした笑顔を向けてきた。