最低王子と小悪魔女

「で、どうする波月。時任と付き合うの?」


 慎吾は顔だけこちらに向けて、真顔のまま聞いてくる。
 たったそれだけのことで気圧されていると知られたくなくて、あたしは顔をそむけた。


「わかんないよ、そんなの。そりゃ時任君はバスケ部レギュラーでカッコイイし、優しくていい人だけど、あたしはあんま話とかしたことないし――」

「やめとけって」

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