最低王子と小悪魔女
「うーん。わかってるんだけど、これがなかなか」
「悪趣味のヘンタイめ」
あたしは努めて冷やかに、目を細めて吐き捨てた。
「……それはさすがに本気で効いた。あのね、幼なじみでも、言っていいことと悪いことがあると思わない?」
「思わない。あんたに限ってあるはずもない」
やれやれといった様子で肩をすくめる慎吾。
これじゃ、あたしの方がわがまま言ってるみたいじゃないか。なんか腹立ってきたぞ。