最低王子と小悪魔女
「……なあ、この場面でこの展開ってアリか……?」

「黙れ、この女の敵めっ。そう簡単にあたしをだませると思ったら大間違いだ!」


 お腹を抱えてうめくようにつぶやいた慎吾に罵声を浴びせて、あたしはこの場を離れようと足を速めた。


「……やっぱり、波月の言うとおり、痛い目遭った」

「自業自得だ、馬鹿慎吾」


 振り返ってトドメの一撃をくれてやる。
 でも、まだ痛そうにしてるわりには笑顔でいるのが逆にキモチワルイ。本気でMの道に目覚めたか?





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