最低王子と小悪魔女


 屋上を離れて学校を出るまでは、怒りが先に立ってて、ムカムカする気持ちのままに一人文句を言いながら走ってた。
 ようやく頭が冷えてきたのは、家に帰り着いた頃。どんだけキレてたんだあたし。


 部屋に入って荷物を投げ出し、あたしはのろのろとその場にしゃがみ込む。


 やるせなさに、溜め息が出た。
 悲しみやら悔しさやらが、お腹の中でグルグル回って吐き気がする。

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