最低王子と小悪魔女

「慎吾、ちょっと顔貸せ」

「ん、いいよー。授業サボる?」

「サボるか馬鹿! 校舎裏だ、とっとと付いてこい!」


 腕を引っ掴んで、登校中の人波から外れる。こんなところで言い合いしていたら、またどんな噂が立つやらわかったもんじゃないぞ。


 ……『既に手遅れ』という言葉があたしの頭をよぎったが、それは意地でも無視だ無視。





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