最低王子と小悪魔女

 やっとのことで校舎裏にたどり着いた頃には、説得やら説教やらに取り組む気力が尽きかけていた。

 だがそれでは本末転倒。くじけちゃ駄目だぞ、あたし。


「……あんた。あたしがこの前、悪趣味のヘンタイって言ったのを怒ってるの?」

「ん? なんのこと?」

「なんのこと、じゃない! 可愛く首かしげてとぼけるなっ! あんたが突然、あたしに変なことしたり言ってきたでしょーが!」

「変なこと、って――」

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