最低王子と小悪魔女

 なんて八つ当たりじみたことをグルグル考えていたら、急に慎吾は声を上げて笑いだした。
 自分で作ったシリアスな空気を吹き飛ばすほどの大きさで。
 ホント、何なんだコイツは一体!


「波月ってば、そんなに恐がらなくても。ちょっとからかっただけじゃん」

「か、からかっ……?」


 からかってただって。馬鹿にしてる。

 じゃあさっきのは演技か。いや、どこからどこまでが演技なんだ!?

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