最低王子と小悪魔女

 まるで思考をさえぎるように、膝の上に置いてあった手を、大きな手がぎゅっと握った。

 バスケットボールを操る、長くて筋張った硬いてのひらが、熱いくらいの体温で、あたしの手の甲や指先をすっぽり包み込む。


「俺のことだけ考えてろ。おまえに、そんな顔させるような男のことなんて、考えなくていい」

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