最低王子と小悪魔女

 あたしよりずっと大きくて、がっしりしてて、女子が憧れるバスケ部の花形選手だっていうのに。
 なんかヘンな感じ。


「ほら、機嫌直して。そろそろ授業始りそうだし」

「……黒木が約束してくれたらな」

「約束?」


 ぱちくりとまばたきしたあたしをじーっと見てから、時任君はぽつりと言う。

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