最低王子と小悪魔女

 あの、綺麗なのにいつもむすーっとした先輩の顔を思い浮かべつつ指摘してやると、花那は今度は思ったとおり真っ赤になって照れた。うん、可愛い。


「ええっ!? ないってそれは!」

「あはは、先輩の気持に早く気付いてあげようね。
そんじゃ、あたしもがんばってみるわ。心配してくれてありがとうね、花那」


 花那にバイバイと手を振って、あたしは女子トイレを後にした。





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