揺れない瞳
「不破さんの大学とも話す必要もあるし、今後本格的にうちの会社との仕事を進めるならそれこそ決めていかなきゃならないこともあるから。
正式に文書を作るし読んで考えてみてくれ」
私が戸惑っている事を気遣う口調で、ゆっくりと話す奏さん。
文書を作るって言われて、冗談じゃないってわかる。
私の作ったウェディングドレスをベースにして展開されていく事業って言われても、どうなっていくのか全く検討もつかないし私がどう関わっていくのかも。
「…私…どう考えていいのかわからないんですが…まだ卒業まで二年以上あるし…無理かなと思うんです」
「…そうだね。
まだ学生だから、しなきゃいけない事もあるし保護者の方の考えもある。
それでも、このウェディングドレスの印象は強いし、うちで不破さんのデザインをサポートしていきたいんだ。
そういう事を卒業までによく考えてみて」
「卒業までに…そんなに猶予をもらえるんでしょうか?」
「ああ。ちゃんと大学で学ぶべきものは学んで、見るものはしっかりと見て。
自分自身に貯金をしてから…うちの会社に縁があれば…一緒に仕事をしていきたいと思ってる」
まるで諭すように、穏やかに伝えてくれる奏さん。
誰もが認知している大きな会社の将来の社長だというのに、そんな重苦しさは何も見せずに軽く言ってくれる事にほっとする。
卒業までに考える時間があるなら、少しは私も前向きに考える事ができるかもしれない。
正式に文書を作るし読んで考えてみてくれ」
私が戸惑っている事を気遣う口調で、ゆっくりと話す奏さん。
文書を作るって言われて、冗談じゃないってわかる。
私の作ったウェディングドレスをベースにして展開されていく事業って言われても、どうなっていくのか全く検討もつかないし私がどう関わっていくのかも。
「…私…どう考えていいのかわからないんですが…まだ卒業まで二年以上あるし…無理かなと思うんです」
「…そうだね。
まだ学生だから、しなきゃいけない事もあるし保護者の方の考えもある。
それでも、このウェディングドレスの印象は強いし、うちで不破さんのデザインをサポートしていきたいんだ。
そういう事を卒業までによく考えてみて」
「卒業までに…そんなに猶予をもらえるんでしょうか?」
「ああ。ちゃんと大学で学ぶべきものは学んで、見るものはしっかりと見て。
自分自身に貯金をしてから…うちの会社に縁があれば…一緒に仕事をしていきたいと思ってる」
まるで諭すように、穏やかに伝えてくれる奏さん。
誰もが認知している大きな会社の将来の社長だというのに、そんな重苦しさは何も見せずに軽く言ってくれる事にほっとする。
卒業までに考える時間があるなら、少しは私も前向きに考える事ができるかもしれない。