揺れない瞳

央雅くんに気持ちを告げた日を境に、私と央雅くんの関係が変わるわけでもなかった。
相変わらずバイトからの帰りは送ってくれるしメールや電話だってある。
バイトからの帰り道に手を繋いで歩きながら、斜め後ろからそっと央雅くんを見つめてどきどきする事すら変わらず続いている。

央雅くんが好きだと告げたのは、私の思い違いなのか、夢だったのかって思うくらいに、変わらない日常が過ぎていく。

私の気持ちを聞いたからといって、それは央雅くんには大した意味はなくて、取り立てて何かを変える必要なんてない、過ぎ去った出来事の一つなのかもしれない。

私の気持ちを知りながら、その気持ちに答えをくれないのは、私の気持ちを恋として受け入れる事ができないんだろうと、一週間たって嫌でも思い知らされる。

私は、そんな央雅くんにどう向き合っていいのかわからない。

お互い、あの夜の事は何も口にしない。
ただ一緒に過ごす時間は変わらずそのままだ。


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