揺れない瞳
え……嘘だ。そんなの信じられないよ」

私の疑い深い声を聞いて、加絵ちゃんはにやりと笑った。

「結乃がその気になったら、恋人もすぐにできるし、楽しく恋愛もできる。
もちろんモデルだって大丈夫だよ」

「え……モデルなんて、そんな自信ないし……」

「だから言ってるでしょ。その気になったらって。
結乃は自分のしたい事とか望む事とか、あらゆるものを求める感情を体に閉じ込めてるからね。
そんな感情は解放して、自由な心を大切にして、その気になったら……なんでもできるよ」

穏やかに笑って諭してくれる加絵ちゃんの言葉が、じわりと私の胸に落ちてくる。
普段から私の感情の機微に敏感なせいか、抜群のタイミングで私の心にダイレクトに届く言葉を与えてくれる。
厳しい言葉を言われる事もあるけれど、その裏にはいつも私を想ってくれる愛を感じる。

「何もかも、結乃がやりたいように、思うように、進めていいんだよ。
その気になったらね」

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