揺れない瞳
美味しそうに並んでいる料理を目の前にしても、なかなか箸が進まない私を気遣うような加絵ちゃんに気づくけれど、どうしても気持ちは浮上しない。
央雅くんの事が気になって仕方がない。
央雅くんが私のバイト先に来る事はあっても、自分のバイト先に自分から呼んでくれた事はなかった。
やっぱり、私は間違ったのかな……。
どうしても出てしまう小さなため息に、ますます気持ちは沈んでいく。
「おいしくない?そのサラダ、結構評判いいんだけど」
その声に顔を上げると、祥くんが立っていた。
テーブルの上の減っていない料理を見て、心配げな瞳でグラスにお水を注いでくれる。
「加絵がきつい事でも言ったのか?お前って根は優しいのに口が悪いから、いつも俺がフォローしてるだろ?結乃ちゃんが、こんなに落ち込むなんて何言ったんだよ」
そっと私の頭を撫でてくれる祥くんは、慣れたように加絵ちゃんと話している。
きっと、昔からこんな感じで加絵ちゃんの事をよく見てるんだろうな。
加絵ちゃんに向けられた言葉はきついけれど、その中にある愛情がよくわかる。
加絵ちゃんだって、言われ慣れているのか、口元を少し歪めながらも気にしてないようだし。
「今回ばかりは、私のきつい性格のせいじゃないんだな。
あのカウンターの向こうで笑顔を作りこんでる男前のせいだよ」
ほらほら、とカウンターの向こうの央雅くんに向けた加絵ちゃんの視線につられて、祥くんと私も央雅くんを見た。
央雅くんの事が気になって仕方がない。
央雅くんが私のバイト先に来る事はあっても、自分のバイト先に自分から呼んでくれた事はなかった。
やっぱり、私は間違ったのかな……。
どうしても出てしまう小さなため息に、ますます気持ちは沈んでいく。
「おいしくない?そのサラダ、結構評判いいんだけど」
その声に顔を上げると、祥くんが立っていた。
テーブルの上の減っていない料理を見て、心配げな瞳でグラスにお水を注いでくれる。
「加絵がきつい事でも言ったのか?お前って根は優しいのに口が悪いから、いつも俺がフォローしてるだろ?結乃ちゃんが、こんなに落ち込むなんて何言ったんだよ」
そっと私の頭を撫でてくれる祥くんは、慣れたように加絵ちゃんと話している。
きっと、昔からこんな感じで加絵ちゃんの事をよく見てるんだろうな。
加絵ちゃんに向けられた言葉はきついけれど、その中にある愛情がよくわかる。
加絵ちゃんだって、言われ慣れているのか、口元を少し歪めながらも気にしてないようだし。
「今回ばかりは、私のきつい性格のせいじゃないんだな。
あのカウンターの向こうで笑顔を作りこんでる男前のせいだよ」
ほらほら、とカウンターの向こうの央雅くんに向けた加絵ちゃんの視線につられて、祥くんと私も央雅くんを見た。