揺れない瞳


月曜日の夕方、バイトに大学から直行した。
授業と課題の量にもよるけど大体週二、三日をバイトに当てている。

今日もお客さんは多くて、50席のほとんどが埋まっていて忙しい。

「結乃ちゃん、月曜から申し訳ないけどラストまでお願いできるかな?」

「あ、大丈夫ですよ」

「助かるっ。ちゃんと男の子に送らせるからね」

慌ただしくそう言いながら、厨房へと戻っていく加賀さんの後ろ姿は疲れていて、私が言おうとしていた言葉も口にできなかった。

いつもは9時にはあがらせてもらっているけれど、時々ラストの11時まで頼まれる。
バイトの確保ができなかった時には大抵。

今日も私を含めて4人のバイトで頑張っている。
忙しくて大変だけれど、ようやく私も戦力として役立ち始めた最近、ラストまで頼まれる事が嬉しくもある。

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