揺れない瞳
「愛子さんって、結乃のお父さんの新しい奥さんだろ?結婚式してなかったのか?」
「うん。詳しくは聞いてないけど、入籍しただけみたい」
「へえ、なんで今更結婚式?」
「なんでだろうね」
央雅くんの自宅で過ごす大晦日。
珍しく央雅くんのご両親も自宅にいて、親子3人の年越しにお邪魔させてもらった。
いつ病院から呼び出しがあるかわからないからと言ってお酒も我慢している姿はさすがにドクターって思う。
何年後かには、央雅くんもこうして仕事を気にしながらの年越しをするのかなあと、想像して、その時に私は隣にいられるのかな、とほんの少しどきっとした。そうなれば、いいなと強く願う。
央雅くんのお母さんと一緒に年越しそばを作って、まるで私も家族の一員のように食べながら、父さんの結婚式の話題を出したのは。
『央雅の成人式の後で、食事に行かない?』
とお母さんが私に声をかけてくれたから。
芽依さんの家族や、芽依さんの実のお父さんである高橋さん夫妻や巧さんと芽依さんも交えての食事会に私も誘ってくれた。
アマザンホテルの中にある和食料理のお店に予約も入れてあり、芽依さんの気遣いだろうけれど、私も人数に入っているらしい。
なかなか予約のとりにくい人気のお店。きっと、巧さんの顔で予約をしたんだろうと央雅くんは苦笑していた。
そんな身内の集まりに私も誘ってもらえる事が嬉しくて、思わずにっこりとした笑顔を央雅くんに向けたけれど、はっと気づいてその笑顔をひっこめた。
「その日は父の……結婚式、なんです」
そう、その日は父さんが二回目の結婚式を挙げる日。
娘である私が出席していいのかどうか、迷うけれど、父さんからの遠慮がちなメールから伝わる気持ちを思うと断れない。
少し前の私なら、無視していたはずのメールだけど、父さんの気持ちをほんの少しにしろ理解した今となっては、その願いを聞き入れてあげたい。
「せっかく誘っていただいたんですけど、父さんは、私に出席して欲しいと言ってくれているので……」
「そうなの、なら、そっちが大切よ。絶対お父さんのお祝いに行ってあげなさい。きっとお父さんも喜ぶわ。そうか……結乃ちゃんのお父さんも再婚するのね。
ふふふっ。私と一緒ね。いいわよ、再婚。お父さん、幸せになるわ、きっと」
明るく笑う央雅くんのお母さんは、難しい顔をして睨んでいる央雅くんに肩をすくめて見せると
「そんな怖い顔しないでよ。親だって大変なんだから。幸せになりたくて頑張ってるのよ」
軽く呟いた。
「うん。詳しくは聞いてないけど、入籍しただけみたい」
「へえ、なんで今更結婚式?」
「なんでだろうね」
央雅くんの自宅で過ごす大晦日。
珍しく央雅くんのご両親も自宅にいて、親子3人の年越しにお邪魔させてもらった。
いつ病院から呼び出しがあるかわからないからと言ってお酒も我慢している姿はさすがにドクターって思う。
何年後かには、央雅くんもこうして仕事を気にしながらの年越しをするのかなあと、想像して、その時に私は隣にいられるのかな、とほんの少しどきっとした。そうなれば、いいなと強く願う。
央雅くんのお母さんと一緒に年越しそばを作って、まるで私も家族の一員のように食べながら、父さんの結婚式の話題を出したのは。
『央雅の成人式の後で、食事に行かない?』
とお母さんが私に声をかけてくれたから。
芽依さんの家族や、芽依さんの実のお父さんである高橋さん夫妻や巧さんと芽依さんも交えての食事会に私も誘ってくれた。
アマザンホテルの中にある和食料理のお店に予約も入れてあり、芽依さんの気遣いだろうけれど、私も人数に入っているらしい。
なかなか予約のとりにくい人気のお店。きっと、巧さんの顔で予約をしたんだろうと央雅くんは苦笑していた。
そんな身内の集まりに私も誘ってもらえる事が嬉しくて、思わずにっこりとした笑顔を央雅くんに向けたけれど、はっと気づいてその笑顔をひっこめた。
「その日は父の……結婚式、なんです」
そう、その日は父さんが二回目の結婚式を挙げる日。
娘である私が出席していいのかどうか、迷うけれど、父さんからの遠慮がちなメールから伝わる気持ちを思うと断れない。
少し前の私なら、無視していたはずのメールだけど、父さんの気持ちをほんの少しにしろ理解した今となっては、その願いを聞き入れてあげたい。
「せっかく誘っていただいたんですけど、父さんは、私に出席して欲しいと言ってくれているので……」
「そうなの、なら、そっちが大切よ。絶対お父さんのお祝いに行ってあげなさい。きっとお父さんも喜ぶわ。そうか……結乃ちゃんのお父さんも再婚するのね。
ふふふっ。私と一緒ね。いいわよ、再婚。お父さん、幸せになるわ、きっと」
明るく笑う央雅くんのお母さんは、難しい顔をして睨んでいる央雅くんに肩をすくめて見せると
「そんな怖い顔しないでよ。親だって大変なんだから。幸せになりたくて頑張ってるのよ」
軽く呟いた。