揺れない瞳
「芽実」
それまで黙っていた奏さんが、芽実さんの勢いをセーブするような穏やかな声で口を開いた。
「自分の恋人がミニスカートで人前に立つなんて、男なら耐えられないと思うけどな。芽実は独占欲って言葉を知ってるか?恋人の全てを自分の懐にしまっておきたいと思うのは芽実だって一緒じゃないのか?」
「そりゃあ、そうだけど……」
諭すように淡々と話す奏さんの口調は、芽実さんの押しの強さを和らげる効果があるようで、悔しそうな表情ながらも少しトーンダウンした芽実さん。
彼女は納得できないかのように口元を引き締めながら何かを考えている。
奏さんの言葉で、芽実さんが黙ってしまった。
その事に驚きつつ、ふと央雅くんを見ると、小さく肩をすくめていた。
独占欲っていう言葉を奏さんは使っていたけど、央雅くんは、私に対してそんな感情を持ち合わせているのかなと、気になった。
央雅くんと二人でこの場に来てからずっと、どこか飄々としている彼は、今何を考えているんだろう。
私を大切に思ってくれているし、恋人としてちゃんと愛していると、何度か言ってくれた央雅くん。その時には感じられなかった、深い余裕が感じられて不思議な気持ちになるし、どことなく抜けない違和感もある。
恋人になった今も尚、私一人が央雅くんへの気持ちを持て余して右往左往しているような気がして、拗ねたくなる。
……子供じゃないし、我慢するけど。
「でも、それじゃあ、成立しないじゃない?」
拗ねた声が響いた。え?私じゃないよ。
「奏が言ってる事は正しいかもしれないけど、そんな事ばかり言ってたらモデルなんて職業は成立しないよ」
ぷん。と奏さんから顔をそむけた芽実さん。
拗ねた声は、彼女の声だった。
それまで黙っていた奏さんが、芽実さんの勢いをセーブするような穏やかな声で口を開いた。
「自分の恋人がミニスカートで人前に立つなんて、男なら耐えられないと思うけどな。芽実は独占欲って言葉を知ってるか?恋人の全てを自分の懐にしまっておきたいと思うのは芽実だって一緒じゃないのか?」
「そりゃあ、そうだけど……」
諭すように淡々と話す奏さんの口調は、芽実さんの押しの強さを和らげる効果があるようで、悔しそうな表情ながらも少しトーンダウンした芽実さん。
彼女は納得できないかのように口元を引き締めながら何かを考えている。
奏さんの言葉で、芽実さんが黙ってしまった。
その事に驚きつつ、ふと央雅くんを見ると、小さく肩をすくめていた。
独占欲っていう言葉を奏さんは使っていたけど、央雅くんは、私に対してそんな感情を持ち合わせているのかなと、気になった。
央雅くんと二人でこの場に来てからずっと、どこか飄々としている彼は、今何を考えているんだろう。
私を大切に思ってくれているし、恋人としてちゃんと愛していると、何度か言ってくれた央雅くん。その時には感じられなかった、深い余裕が感じられて不思議な気持ちになるし、どことなく抜けない違和感もある。
恋人になった今も尚、私一人が央雅くんへの気持ちを持て余して右往左往しているような気がして、拗ねたくなる。
……子供じゃないし、我慢するけど。
「でも、それじゃあ、成立しないじゃない?」
拗ねた声が響いた。え?私じゃないよ。
「奏が言ってる事は正しいかもしれないけど、そんな事ばかり言ってたらモデルなんて職業は成立しないよ」
ぷん。と奏さんから顔をそむけた芽実さん。
拗ねた声は、彼女の声だった。