揺れない瞳
私に見せてくれる優しい態度と言葉は、央雅くんが私を大切にしようと思ってくれているんだろうって感じられる。
わざわざ深夜に迎えに来てくれて家まで送ってくれて。
大切にしてくれるのはよくわかる。
私にとって、そんな事は慣れてなくてどう応えればいいのか困るけれど。
慣れていなくて困るけれど、嬉しくもあって。
その嬉しさも慣れてなくて。
気持ちをどう持っていけばいいのか。
央雅くんにしてみれば、コンパで会った女の子とのその後の展開なんて何度か経験している事だろうけど。
私には初めてで、切ないし嬉しいし信じられないし……。
思わずため息も出てしまう。
その魔法を信じてしまいそうになるのが怖くて。
苦笑い……。
これが、今の私の精いっぱい。